病気ガイド
診療科・部門
ネフローゼ症候群
疾患の特徴
「ネフローゼ症候群」は、何らかの原因で糸球体が障害され、血液中の重要な蛋白質であるアルブミンが尿中に大量に漏れ出てしまい、血液中のアルブミン値が下がってしまう疾患の総称です。原疾患ははっきりとした原因がわかっていない一次性のものと、糖尿病や膠原病などに併発する二次性のものに分けられます。一次性の中で小児から若年者に多いのは「微小変化型ネフローゼ症候群」で、年齢が上がるにつれて「膜性腎症」の頻度が上がります。それ以外にも多くの疾患があるため、腎生検を行い診断確定が必要となります。また、ネフローゼ症候群は悪性疾患に合併することもあるためきちんと検査することが重要です。
〇 主な症状
「微小変化型ネフローゼ症候群」は急性発症であることが多く、尿の泡立ち、下腿浮腫、眼瞼浮腫、腹痛などがみられます。胸水貯留による呼吸苦や尿量低下、下痢、血栓塞栓症がみられることもあります。一方で緩徐に発症した「膜性腎症」などは、尿の泡立ちはみられるものの、下腿浮腫がはっきりとしないことがあります。
治療法について
薬剤療法
浮腫や胸水貯留を改善するために利尿薬を使用することがあります。治療法は疾患毎に異なりますが、一次性ネフローゼ症候群にはステロイドや免疫抑制薬を月~年単位で使用することが多いです。糖尿病、膠原病および悪性疾患に併発したネフローゼ症候群については原疾患の治療が重要となります。ネフローゼ症候群の多くは治癒することはなく、疾患の勢いを抑えて蛋白尿を減らす“寛解”が目標となります。定期的に外来通院をしていただき検尿や血液検査でしっかりと病状を確認させてもらいます。
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