病気ガイド
トップ > 病気ガイド > 皮膚・皮下腫瘍

皮膚・皮下腫瘍

疾患の特徴

「皮膚・皮下腫瘍」は皮膚の表面,皮下組織にできるしこり・できものの総称です.ほくろやあざ、いぼなど良性のできものや宮崎で多く見られる日光角化症やそこから発症した有棘細胞がんなど悪性のできものまでいろいろなものが皮膚にできます.一般的には手術にて取り除く治療が行われますが,大切なのは手術前に良性か悪性のできものかを充分に検討し,それに見合った治療法,手術法を選択することです.また手術後は切り取った組織を病理学的に正確に評価・診断し患者さんに分かりやすく説明するよう心がけています.

主な症状

皮膚は皮膚表面を覆う表皮から真皮,その下にある脂肪組織、筋肉などの皮下組織から構成され,その中には皮膚附属器と呼ばれる毛包や汗を作る汗腺,神経組織や血管など多種多様な細胞から成り立っています.そのためそれらの細胞から発症するできものは腸や肺など内臓に発症するできものより種類が多いのが特徴です.また内臓にできるできものに比べ直接見て触って診断することができますので皮膚科専門医はその診断能力を日頃から鍛えています.素人判断で悪性のできものを良性のものと間違えてほっておいてしまい取り返しのつかなくなる患者さんをまれに経験しますので,「皮膚・皮下腫瘍」はその診断に精通した専門医に診てもらうことをおすすめします.

治療法について
治療方針について

当科では地域の関連病院から紹介をうけた患者さんの治療をさせて頂いています.そのため良性腫瘍でも一般の病院では手術が難しそうな患者さんの割合が多いです.一般の方から「しぼうのかたまり」と言われる粉瘤や、脂肪細胞から発症する良性の脂肪腫は局所麻酔での手術をする機会が多い疾患です.しかし腫瘍のサイズが大きいものや筋肉まで達しているなど局所麻酔では手術が難しい患者さんには入院の上,麻酔科による麻酔の元,手術を行っています.また心疾患や脳梗塞後で抗凝固剤などの血液をさらさらにする内服薬を飲んでいる患者さんなど術後出血が懸念される患者さんも状況によって入院手術も行っています.

根治手術、放射線療法など

宮崎は農業など日光に当たる機会の多い職業に従事される方が多く,そのため紫外線による発がん:「日光角化症(表皮内がん)」が多く見られる県です.日光角化症をもつ患者さんはご高齢になりそこから「有棘細胞がん」ができることがあります.できれば早期に発見し早期治療を行うことがのぞましいです.治療は取り残しのないように根治手術がのぞまれますが,すでに手術がむずかしいほど腫瘍が大きくなった患者さんには放射線療法などその他の治療をおこなうこともあります.それぞれの患者さんの年齢や病気,病状に見合った治療法を選択するよう心がけています.
悪性腫瘍の中でもほくろのがんと言われる「悪性黒色腫」は早期に転移することもある予後の悪いがんです.悪性黒色腫は日本人では足底に発症することが多く,足の裏のほくろとは初期には見分けがつけにくいものです.診断には経験豊富な専門医による視診,特にダーモスコピーによる診断が必要ですので,気になるような症状がある方はぜひ受診をお願いします.

担当科の紹介
皮膚科

当科は地域の病院・医院と連携を取りながら治療を行う「総合病院の皮膚科」として役割を担っています。当院での手術をご希望の方は、かかりつけの先生と相談の上、ご紹介頂ければ幸いです。以下に最近3年間の主だった手術件数を提示します。

皮膚科の案内
トップへ戻る