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胆道がん

疾患の特徴

「胆道がん」は肝臓が産生する消化液である胆汁を流す胆管から発生するがんの総称で、「肝内胆管がん」(肝内の胆管にできるがん)、「肝門部胆管がん」(肝臓の入口の胆管にできるがん)、「胆のうがん」(胆汁を蓄えておく胆のうにできるがん)、「遠位胆管がん」(胆管の下の方にできるがん)、「十二指腸乳頭部がん」(胆管の出口にできるがん)があります(図1)。
当院では上記の「胆道がん」治療を得意としています。

図1.「十二指腸乳頭部がん」(胆管の出口にできるがん)

主な症状

「胆道がん」は胆汁の流れが障害されると黄疸(眼球黄染や皮膚黄染、灰白色便、褐色尿、かゆみ)を生じます。患者さん自身は黄疸に気づきにくいことがあり、家族や友人から指摘されて初めてわかることもあります。他にも腹痛、腹部違和感、全身倦怠感、体重減少、食欲不振などの症状を認めることがあります。
黄疸の症状があれば、お気軽にご相談下さい。当院で精密検査を行います。

治療法について
手術

「胆道がん」手術においては、適切な術式の決定、肝機能の評価、残肝容積の計算、適切な減黄処置(内視鏡ERCPで黄疸を改善させる)などが必要です。
特に肝門部胆管がんは、発生する場所の複雑性から、拡大肝切除+肝外胆管切除再建が必要で、時には血管合併切除再建も必要となる、肝胆膵外科手術の中でも難易度の高い手術が必要な‘がん’の一つです。当院では肝胆膵外科チームで詳細な術式検討を行い、安全で過不足のない手術を行うように心がけています(図2)。
非常に大きな手術ですが、当院では日本肝胆膵外科学会高度技能指導医・専門医を中心にしたチームで治療にあたっており、安全で質の高い手術、きめ細やかな術後管理を患者さんに提供したいと思っています。「胆道がん」根治を目指して、一緒に治療をがんばりましょう。

図2.肝門部胆管がんに対する拡大左肝切除+肝外胆管切除再建

抗がん剤治療

手術のみならず、抗がん剤治療にも力を入れています。抗がん剤治療により切除不可能だった‘がん’が切除可能になる(コンバージョン)こともありますし、切除不可能であっても抗がん剤治療によって予後の延長を目指します。
抗がん剤と聞いて副作用がキツイと思われるかもしれませんが、副作用対策はしっかり行いますし、副作用が強い時は抗がん剤の休薬や減量で対応をしますので、安心して抗がん剤治療を一緒にがんばりましょう。

担当科の紹介
肝胆膵外科

当院では日本肝胆膵外科学会高度技能指導医1名と同専門医1名を中心にしたチームで、「都会と同じレベルの医療」を皆様に提供すべく日々の診療に当たっています。肝胆膵外科がん手術を年間40~50件行っており(表1)、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医制度 認定修練施設Bに認定されています。
患者さんにダメージの少ない腹腔鏡手術を積極的に行っていますし、高度進行がんに対しては血管合併切除や他臓器合併切除を伴う拡大手術を行うこともあります。
肝胆膵外科手術後は膵液瘻(すいえきろう;膵液の漏れ)や胆汁瘻(たんじゅうろう;胆汁の漏れ)、肝不全などの特有の合併症があり、それらをいかに適切に迅速にコントロールするかが重要です。当院では周術期死亡ゼロを第一目標に、肝胆膵外科手術に取り組んでいます。
一緒に肝胆膵がん治療をがんばりましょう。

外科の案内
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