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鼠経ヘルニア

疾患の特徴

⿏径部(⾜の付け根)の弱くなった腹壁の⼀部から腹腔内臓器(腸管や内臓脂肪など)が⾶び出す病態で、いわゆる「脱腸」のことです。

① ⽪膚 ② 筋⾁・ 筋膜  ③ 腹膜  ④ 腸管  〇ヘルニア⾨

図1.⿏径部ヘルニア(嵌頓)

〇 ⿏径部ヘルニアの当院での治療⽅法

成⼈のヘルニアの場合、⾃然治癒は期待できず⼿術でしか根治できません。当院では⿏径部アプローチと腹腔鏡アプローチのどちらかで⼿術を計画します。

〇 ⿏径部ヘルニア⼿術のおおまかな費⽤(⾷事代・個室代・⾃費等除く)

70歳未満の患者様の場合

70歳〜74歳の患者様の場合

75歳以上の患者様の場合



主な症状

加齢とともに腹筋が弱くなったり、お腹に⼒がかかりやすい状態(お腹に⼒のかかる仕事、肥満、妊娠、喘息、慢性肺疾患など)が続いたりするとなりやすいと⾔われています。

⿏径部ヘルニアは時に緊急⼿術が必要となったり、経過により重症となったりすることがあります。その多くはヘルニア⾨が狭く、脱出した腸管が元に戻らなくなる「嵌頓(カントン)」によってひきおこされます。嵌頓腸管が閉塞して、壊死を来すことがあり、腫れが収まらず強い痛みと嘔吐を伴って、緊急⼿術が必要となる場合があります。

治療法について
⿏径部アプローチ

腰椎⿇酔下に⿏径部に切開を置き、 前⽅からヘルニアを修復する⼿術です。メッシュを⽤いず、⾃⾝の組織を利⽤して修復する⽅法もありますが、組織が引き連れたりすることでツッパリ感や疼痛が出現することが多いとされ、メッシュを⽤いた修復法が推奨されます。図2.⿏径部アプローチ⽪膚切開

図2.⿏径部アプローチ⽪膚切開

図3.ウルトラプロ®プラグ(UPP)とメッシュ留置部

図3.ウルトラプロ®プラグ(UPP)とメッシュ留置部

図3.ウルトラプロ®ヘルニアシステム(UHS)とメッシュ留置部

図3.ウルトラプロ®ヘルニアシステム(UHS)とメッシュ留置部

腹腔鏡アプローチ

全⾝⿇酔下にお腹に3か所の⼩さな傷で腹腔内にカメラと鉗⼦を挿⼊し、お腹の中の映像をテレビモニターで⾒ながら⼿術する⽅法です。腹腔内よりメッシュを留置しますが、当院ではTAPP法を採⽤しております。⿏径部アプローチと⽐べて、1つ1つの傷が⼩さく疼痛が少ないと⾔われており、早期社会復帰を期待できます。当科では年々腹腔鏡アプローチの⼿術件数が増加しており、安全で合併症の少ない⼿術を⼼がけております。

図4.腹腔鏡アプローチ⽪膚切開

図4.腹腔鏡アプローチ⽪膚切開

図5.バード®3DMax®とパリテックス™ラッププログリップ™のメッシュ留置部

担当科の紹介
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