病気ガイド

COPD

疾患の特徴

慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)は、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称です。長期間にわたりタバコ煙を主とした有害物質を吸入暴露することが原因で気流閉塞を示す炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病といえます。COPD発症率は喫煙者の15~20%であり、年齢とともに増加します。40歳以上の有病率は10%前後とされており、近年喫煙率は特に男性において低下傾向ですが、高齢者におけるCOPD罹患率や死亡者数はいまだ減少傾向を認めず、厚生労働省の人口動態統計によると全体の死亡原因と男性の死亡原因ともに第9位(2021年)となっています。

主な症状

歩行時や階段昇降など、体を動かしたときの息切れ(労作時呼吸困難)や慢性的な咳・痰が特徴的な症状です。また喘鳴や発作性呼吸困難を認める場合もあります。経過中に安定期治療の変更が必要となる息切れの増加、咳や痰の増加などを認める増悪(ぞうあく)と呼ばれる症状悪化を来すこともあります。原因としては呼吸器感染症や大気汚染などが挙げられますが原因が不明なこともあります。

治療法について
禁煙

喫煙を続けると呼吸機能の悪化が加速するのでまず最初に行う必要がある治療です。

薬物療法

安定期の治療としては、抗コリン薬やβ₂刺激薬などの気管支拡張薬の吸入療法が第一選択です。気管支拡張作用により、気道抵抗を低下し、肺の過膨張を軽減したり、気流閉塞を改善することで、労作時呼吸困難を軽減します。気管支喘息合併例や増悪を繰り返す症例では吸入ステロイド薬を併用することもあります。増悪期は、抗菌薬、気管支拡張薬、ステロイド薬の投与を行います。

非薬物療法

呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練・運動療法)や栄養療法などがあります。また低酸素血症が進行してしまった場合は、在宅酸素療法が導入されます。

担当科の紹介
呼吸器内科

治療としては禁煙がとても重要ですが、独力で禁煙が困難な場合は、禁煙補助薬を用いた禁煙治療を併用し禁煙をサポートします。また増悪をさけるためにはワクチン接種も重要です。増悪頻度と死亡率を低下させるためインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が推奨されており各種ワクチン接種も当院で可能です。

呼吸器内科の案内
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