病気ガイド
診療科・部門
胸水貯留、気胸
疾患の特徴
胸水とは、胸腔(肺がはいっている部屋)に水がたまる病気です。胸水の原因は胸膜の炎症や癌などによる滲出性胸水と非炎症性の漏出性胸水の2種類があります。滲出性胸水の原因としては、感染(細菌や結核など)、肺癌や胸膜に発生する悪性中皮腫、関節リウマチなどの膠原病による胸膜炎などがあります。通常は片側に貯まります。漏出性胸水は、心不全や肝硬変、ネフローゼ症候群、腎不全など肺の病気以外が原因のことが多く両側にみられることが多いです。気胸は、肺に穴が開いて胸腔に空気がたまります。最も多い原因は自然気胸で10~30代のやせ型の男性に好発します。
〇 主な症状
胸水貯留の症状としては、咳や胸部違和感、息苦しさ、胸痛などが挙げられます。心不全などでは足のむくみも伴うことがあります。気胸の場合は、突然の胸の痛みと呼吸困難が最も多い症状です。
治療法について
胸腔ドレナージ
胸水が滲出性の場合は胸腔ドレーンというチューブを胸腔に挿入し水を抜きます。また原因疾患によっては水を抜いた後に胸膜癒着術を行うこともあります。漏出性の場合は、原因疾患の治療を行います。気胸の場合は、軽症の場合は安静のみで改善することあります。重度の場合は、滲出性胸水同様、胸腔ドレーンを挿入し空気を抜きます。ドレーン挿入後も空気漏れが止まらない場合は、胸膜癒着術を行ったり手術で穴を塞ぐこともあります。
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