病気ガイド

乾癬

疾患の特徴

「乾癬」は皮膚に特徴的な症状が現れる慢性の病気です。発症すると治りにくく慢性の経過をとり、またその特有の見た目に悩まされ精神的につらい思いをされている患者さんも少なくありません.最近では病気の解明が進み,生物学的製剤など新たな治療法が開発され以前では治りにくかった皮膚症状もうまく治療できるようになってきました。

主な症状

「乾癬」の皮膚症状は見た目や現れる場所は個人差がありますが、頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざなどこすれるような刺激を受けやすいところに発疹が出やすいという特徴があります。典型的な症状は、皮膚から少し盛り上がった赤い発疹(紅斑)の上に、銀白色のフケのように鱗屑(りんせつ)がくっつきポロポロとはがれ落ちる落屑(らくせつ)がみられます。また爪に症状がでたり,関節が痛くなったり腫れたりする関節症を伴うこともあります.かゆみの程度は患者さんによって異なり,見た目の割にはあまりかゆくない方もいます.よく患者さんから「人にうつりませんか」と相談をうけますが、他の人に感染する病気ではありません。

治療法について
外用療法,光線療法,内服療法,注射による治療

乾癬の治療法には主に塗り薬による外用療法,紫外線照射による光線療法,内服療法,生物学的製剤による注射による治療があります.症状や程度に応じてぬり薬による外用療法をはじめ,症状の範囲や程度が強い場合には光線療法や内服,生物学的製剤による治療が行われます.
乾癬の症状発現には本来は免疫作用として外敵から体を守るはずのサイトカインが過剰に産生されることが原因とされています.これらのサイトカインにはTNF-α,IL-17,IL-12/23などがあり,それらの働きを抑制する内服薬や生物学的製剤はめざましい治療効果をあげています.これらのサイトカインを調整する薬剤の治療に関しては本来の免疫を一部弱める作用があるため副作用に注意しながら使用する必要があります.副作用は頻度は少ないものですが,そのような症状が出た際は当科は内科など他科との連携を取りながら対応できる総合病院ですので,安心してご相談下さい。

担当科の紹介
皮膚科

軽症の患者さんから全身に皮疹が広がっているような重症の患者さんまで幅広く対応いたします。特に症状が強い場合には入院での治療も受け入れていますので、そのような患者さんはかかりつけの医院、医師にご相談のうえ紹介、受診をお願いいたします。

皮膚科の案内
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