紹介
知識・技術の質向上を目指し、安心・安全な医療を受けて頂くために、体から採取したものを対象に
する検体検査と装置を用いて直接身体の情報を調べる生理機能検査を行っています。
特徴
外来患者の採血を主に検査部内で行い、国家資格を持つ臨床検査技師を中心として患者さんに負担を掛けない、安心で安全な採血を心掛けています。検体容器は、患者基本票のバーコードを採血システムで照合し、患者さんごとに自動発行します。また間違いが起きないよう、お名前と生年月日を確認させていただいています。
採血場所と検体検査室が直結しているため、採血後の血液はただちに測定を開始し検査結果は約1時間で医師の元に送られます。混雑時にはお待ち頂く場合もございますので時間に余裕を持って御来院ください。採血に関するご希望や不安のある方は、遠慮なくスタッフにご相談ください。
チーム医療を担う臨床検査技師として、感染制御やNST(栄養サポートチーム)や糖尿病教育運営、輸血療法などの各種委員会やチーム活動に積極的に参加しています。
24時間日当直体制で検査に対応しています。
業務の内容
採血
採血室にて、臨床検査技師と看護師が採血を行っています。
患者さんを受付にて発券された番号でお呼びし、採血時にお名前と生年月日の確認させて頂くことにより取り違え防止に努めています。また採尿トイレは採血室の隣にありますので、トイレ奥の窓口に尿をご提出ください。
検体検査
検体検査とは、体から採取した検体(尿や血液など)について、成分の分析や微生物の有無等の検査を行うことです。当院での検体検査には尿一般、生化学免疫、血液、輸血、細菌、病理細胞診検査があります。
尿一般検査
尿中の蛋白や糖、潜血、ウロビリノーゲンなどを含めた10項目を測定しています。尿中成分の沈殿物を顕微鏡で調べる検査を行うこともあります。
大腸がん検診で行う便潜血検査や体腔液検査も一般検査に含まれます。
全自動尿自動分析装置(全自動尿中有形成分分析装置)
生化学検査・免疫検査
主に血液や尿などの化学的な成分を調べる検査です。
肝臓の状態を見るAST・ALT・γ-GTP、腎臓の状態をみる尿素窒素・クレアチニンや、高脂血症で上昇するコレステロール・中性脂肪、糖尿病の診断には血糖値やヘモグロビンA1cなど、専用の装置を用いて測定します。他に甲状腺機能関連ホルモン、ウイルス抗原の検出や感染によって産生された抗体を検査することで、炎症などの原因を調べる感染症関連検査、腫瘍細胞がつくりだす特異性の高い物質を測定する腫瘍マーカーなどもそれぞれ専用の装置で検査しています。
生化学自動分析装置
全自動免疫測定装置
血液検査
主に血球検査と凝固検査があります。
血球検査では、白血球・赤血球・血小板といった血液中の細胞成分の数や、細胞の種類を調べて、炎症や貧血などの診断を補助します。
凝固検査では、血液を固まらせたり、一端固まった血液を溶かしたりする働きをもつ成分を調べ、血液の固まり易さやお薬の効き目などを見ています。
輸血検査
手術による大量出血、極度の貧血のときに輸血を行います。
輸血検査には血液型と不規則抗体、交差適合試験があり、これらの結果をもとに適した輸血用血液を選択し、安全な輸血に努めています。
全自動輸血検査測定装置
細菌検査
血液、尿、喀痰、便、分泌物などから感染症の原因となっている菌の検出と、その菌の薬剤の効き具合の程度を調べる感受性試験を行っています。また、蓄積されたデータを解析し、菌種別の検出率や特定の菌に対する薬剤感受性の動向などを臨床に報告する役割も担っています。
全自動細菌検査装置(微生物感受性分析装置)
病理細胞診検査
病理組織検査
手術や胃カメラなどで採取された臓器や組織からいくつかの工程を経て標本を作製します。これを顕
微鏡で観察し、良性か悪性か、病気の性質などを診断しています。また、手術中に採取された組織を凍結処理することで迅速に標本作成し診断を行うこともあります。
細胞診検査
尿や喀痰などの検体から標本を作製し、異常細胞の有無を調べます。子宮がん検診もこれに含まれ ます。資格を持った細胞検査士が業務を担当しています。
病理組織検査と比べて検体採取による痛みや負担が少ないため、繰り返し実施しやすい検査です。
当院では、甲状腺検査においてエコーガイド下吸引細胞診も行っています。
生理機能検査
生理機能検査とは、患者さんの身体を心電図や超音波などの機器を用いて直接調べる検査のことです。当院では以下の検査を行っています。
心電図検査
心臓が血液を送り出すために拍動する時、心臓の筋肉が収縮して微細な電気を発生します。
その電気の強弱を波形グラフ化したものが、心電図です。
心臓の働きに異常があると、この波形に変化が生じます。それを読み取り診断に役立てます。
【検査でわかる病気】
不整脈、高血圧性心疾患、狭心症、冠不全、心筋梗塞、心筋症、心肥大、心膜炎、電解質失調、薬物作用、先天性心疾患など
心電図(自動解析装置付)
負荷心電図検査
運動をした後に限って胸が痛くなるような病気を発見するために、心臓に運動負荷を与えて、心電図の変化を見るのが、負荷心電図検査です。
【検査でわかる病気】
狭心症・心筋梗塞などの虚血性心疾患、不整脈をともなう病気など
【検査の方法】
- 1.マスター法
- 2段の階段を、リズム音にあわせて、一定時間上り下りします。運動を開始する前、運動の後の心電図の記録をし、変化を比較します。
- 2.トレッドミル法
心電図と血圧計を取り付け、ベルトコンベアの上を歩く検査です。徐々に速度が速くなり、傾斜がつきます。運動を開始する前、運動中、運動後の心電図と血圧を記録し、その変化を比較します。
ホルタ-心電図(24時間心電図)
携帯型心電計を装着して、日常生活中の心電図を24時間連続的に記録します。記録された心電図情報はコンピュ-タ-で解析します。
【検査でわかる病気】不整脈、虚血性心疾患の診断と評価
呼吸機能検査
呼吸の呼気量と吸気量を測定し、呼吸の能力を調べる検査です。息切れする、呼吸が苦しい、咳が出る、痰が出るなど、肺の病気が考えられる場合に行います。肺の病気の診断や重症度などを調べるのに役立ち、治療効果の測定にも使われます。手術前に肺の状態をチェックする目的で行う場合もあります。
【検査でわかる病気】
間質性肺炎、喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺気腫など
電子スパイロメーター
血圧脈波検査
ABI検査
下肢の「比較的太い血管の硬さ」と「比較的太い血管のつまり」をみる検査です。狭くなった状態や弾性が低下した様子を数値化して知ることができます。
【検査でわかる病気】動脈硬化症の診断
甲状腺・体表超音波検査
甲状腺、乳腺、耳下腺、皮膚科領域に超音波を当てて、腫瘤の有無などの様々な病変に対する検査です。
腹部超音波検査
腹部に超音波を当てて胆石などの結石、腹部臓器の腫瘤の有無など腹部の様々な病変に対する検査です。お腹にガスが溜まっていると見えない時があります。
【検査でわかる病気】
肝硬変、脂肪肝、肝腫瘍、胆石、胆嚢炎、胆嚢腫瘍、胆管結石、膵炎、膵腫瘍、腎結石水腎症、腎腫瘍、脾腫、卵巣腫瘍、子宮筋腫、前立腺肥大、腹水、胸水、大動脈瘤など
心臓超音波検査
心臓に超音波を当てて、心臓の大きさや心筋の厚さ、心臓壁の運動や弁の動きの状態(弁の狭窄や逆流)、心臓内での異常物の有無など、心臓の機能を評価し様々な心疾患の診断に役立てます。
血管超音波検査
血管に超音波を当てて、血管の壁、血管の太さ、血液の流れなどを見る検査です。
- 主に、頚部(首)や足の付け根から太股にかけての動脈・静脈などを検査します。
脳波検査
頭皮上からでてくる脳の電気的活動を調べます。脳の機能的、器質的障害を明らかにして診断に役立てます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)検査
睡眠時無呼吸症候群とは眠っている間に、何度も呼吸が止まることで良好な睡眠を妨げる病気のひとつです。この病気を診断する検査として、当院ではパルスオキシメトリーと終夜睡眠ポリグラフ(PSG)の2つの検査を行っています。
- 1. パルスオキシメトリー
自宅に携帯型の機械を持って帰っていただいて、就寝前に指先に、ご自身でセンサーを装着して寝ていただくことで、睡眠中の血液内の酸素や、脈拍を測定します。機械の取り扱い方法は、機械の貸出時に説明させていただきます。
特に難しい操作は必要ありませんので、ご安心ください。
- 2. 終夜睡眠ポリグラフ(PSG)
終夜睡眠ポリグラフの検査では、病院に一泊入院していただき、夕方から翌朝まで睡眠中に検査を行います。
センサー装着イメージ(PSG検査)
末梢神経伝導速度検査
末梢神経を外部から人工的に刺激(電気刺激等)することによって誘発される筋や神経の活動電位(波形)を記録し、末梢神経の状態を把握し、その背景にある病態を推定し、臨床診断と治療に役立てる検査です。
ニューロパック