肝胆膵がんは予後不良でかつ手術が難しい、難治がんが多くを占めます。当科では日本肝胆膵外科学会高度技能指導医1名と同専門医1名を中心にしたチームで治療にあたっており、日本肝胆膵外科学会高度技能専門医制度 認定修練施設(B)に認定されています。
肝臓について
安全な手術を行うために、術前に3Dシミュレーションソフトを使用し、残肝容積(手術後に残る肝臓の容積)の計算、最適な肝切除プランニングを行っています(図1)。
当科では腹腔鏡下肝切除も行っています。腹腔鏡手術では全身麻酔下に二酸化炭素ガスでお腹をドーム状にふくらませ(気腹)、小さな穴を数個開けてそこから手術器械を挿入して手術を行います(図2-5)。開腹手術に比べ、傷が小さく術後の回復が早いです。
胆道について
胆道がんには、肝内胆管がん(肝内の胆管にできるがん)、肝門部領域胆管がん(肝臓の入口の胆管にできるがん)、胆嚢がん、遠位胆管がん(胆管の下の方にできるがん)、十二指腸乳頭部がん(胆管の出口にできるがん)などがあります(図6)。
それらに対して、拡大肝切除(半分以上の肝臓をとる)などの手術を積極的に行っています(図7)。
膵臓について
膵臓がんは、手術のみでは完全に治すことがかなり難しいため、抗がん剤治療を組み合わせることが重要です。当科では術前抗がん剤治療、手術、術後抗がん剤治療をしっかりと行っています。
膵臓がんはその発生部位により膵頭十二指腸切除、膵体尾部切除、膵全摘などの術式を決定します。膵頭十二指腸切除(図8)では、膵頭部・胆管・胆嚢・十二指腸を切除します。切除後は、膵臓と空腸、胆管と空腸、十二指腸と空腸とをそれぞれ吻合し(つなぎ)再建ます。膵体尾部切除では、膵体尾部と脾臓を切除します。当科では可能な限り腹腔鏡下膵体尾部切除を行うようにしています(図9)。
最終更新:2023年8月31日