肛門にできる病気には、痔核(イボ痔。直腸側にできる内痔核と、肛門側にできる外痔核があります。図1)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(あな痔)、肛門周囲膿瘍、直腸脱などがあります。当科ではこれらに対して治療を行っています。
この中でも痔核が最も頻度の高い病気です。痔核は、過剰ないきみや長時間の座り仕事などで強い負荷がかかって肛門の静脈叢がうっ血して腫れている状態です。出血や排便時の脱出、痛み、腫れなどの症状を起こします。当科では手術のみではなく、ジオン注射治療を行っています。
ジオン注射(痔核硬化療法、別名 ALTA療法)とは、切らずにジオンという注射剤を痔核に注射して治す治療です。腰椎麻酔(下半身麻酔)や局所麻酔で行い、治療時間は30分程です。ひとつの痔核に対して4ヶ所投与します(これを四段階注射法と呼びます。図2)。ジオン注射により痔核内の血液量を減少させ、痔核を縮小させます。患者さんにとって負担の少ない治療です。
最終更新:2023年6月12日